行幸源泉の歴史
1300余年前、飛鳥時代より大和朝廷に 知られた日本最古の温泉の一つで日本書記、万葉集 に記載されているように斉明、天智、持統、文武天皇の諸帝が行幸せられ、なかでも有馬皇子の悲話が 有名です。即ちこれが行幸温泉の名のおこりです。 含食塩重曹系の温泉で飲用として慢性消化器系疾患に、浴用として肌によく美容温泉として喜ばれて います。
当社は、道後温泉、有馬温泉とともに日本三古湯の一つに数えられる白浜温泉郷の中で最も古くから知られている湯崎温泉地区において、温泉の供給、販売事業を営んでおります。湯崎温泉は、古くは「牟呂の湯」と呼ばれ、皇室が訪れた旨が日本書記にも記載されている由緒ある名湯ですが、近代の観光客の増加に伴い自然湧出だけでは賄いきれない状況に至りました。当社は、大正末期に同地区において温泉井戸の掘削を行い、自噴させることに成功し、「行幸源泉」と命名して地域の宿泊施設や入浴施設へ温泉の供給、販売事業を開始するに至りました。
無色透明のナトリウム・塩化物・炭酸水素塩泉の泉質と、約80℃の温泉で、周到な管理のもと豊富な湧出量を維持しています。
白浜は火山が無いのに温泉が出るのはなぜ?
行幸源泉がある南紀白浜はフィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込む南海トラフの近くにあります。フィリピン海プレートが何万年もかけてユーラシアプレートの下に潜り込む際には海水などを含んで潜り込みます。

この海水が地下深くで熱せられながら、圧力によってプレートの上部に押し出されます。押し出された高温の熱水が地下10km~15km吹きに高温帯を作り、そこで浸透した地下水などを加熱し、地表に出てきたものが行幸源泉となっております。
行幸源泉の成分は?
行幸源泉の成分はナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉となります。これだけでは何のことかわからないのですが、温泉の分類上、塩化物泉は温泉水1kg中の塩化物の成分が1000mg以上含んでいるを指します。また、炭酸水素塩泉の場合は、炭酸水素を1000mg以上含んでいることを指します。これら二つの成分からなるのが行幸源泉となります。
では、これらの成分はどのような効能があるのでしょうか。
塩化物泉
皮膚に塩分が付着して膜を作るので汗の蒸発を防ぎ、体温が下がりにくくなるため、「熱の湯」とも呼ばれます。
炭酸水素塩泉
炭酸水素塩泉は炭酸ガスが血管を拡張し、血行を促進する効果や、皮膚の不要な角質や毛穴の汚れを取り除く作用があるため、「美人の湯」と呼ばれています。
これらの効果から、古くから美容温泉として親しまれております。

